海外ドラマメンタリストのセリフで学ぶ英語表現、エピソード16です。
今回は、ジェーンに恨みを持つ犯人が、人質に爆弾をセットしてメッセージを送ってくるという定番のパターンです。超有名どころでは映画ダイハードやBBCのドラマ・シャーロックでもありました。
今回のエピソードがそれらのストーリーとちょっと違うのは、爆弾がいきなり爆発して人質が死んでしまうというところです。そして爆発に巻き込まれたジェーンの目がなんと見えなくなってしまいます。
もう一つの注目はヴァンペルトに恋人ができます。正確に言うと恋人候補でしょうか。デートしている"be dating with"という表現が出てきますが、英語の"date with"という表現には恋人よりも恋人の前段階というニュアンスがあります。
恋人の前段階でキスをするというのは日本人の感覚とは少し異なりますね。ちなみに、恋人とは"go out with"、"be going out with"という表現を使うのが普通です。自然な日本語に訳すと「恋人とデートする」となるのでややこしいですね。
ネタバレになりますが、ヴァンペルトの恋愛はシリーズ前半を通して大きな意味を持つのですが、今回はそれの前哨戦といったところでしょうか。
ヴァンペルトとリグスビーの恋愛関係は、一筋縄では進みません。捜査班の中での恋愛関係は人によって好みが分かれると思います。メンタリストがあまり好きではないという人の中には、これが理由でという人もいるのかもしれません。
私もリズボンとジェーンの関係を除いて、あまり生々しい恋愛関係は好きではないのですが、そういうものを含めてもそれに大きくまさる魅力がメンタリストにはあるので、やはりこのドラマが大好きです。
とまあ、脇道にそれましたが、今回は、物語の終盤にとてもおもしろい会話がありました。
ジェーンとヴァンペルトを人質に取った犯人がヴァンペルトの車のところに二人を連れて行こうとします。ヴァンペルトの車がアイワナンバーだと知った犯人がこう言います。
Famous potatoes, huh?
名物のジャガイモか。
すかさず、ヴァンペルトがいいます。
That's Idaho, you ignorant jerk.
それは、アイダホよ。このうすらトンカチ!
「うすらトンカチ」は極端な訳ですが、これをそのまま「無知なバカ」と訳してしまうと、この場面のおかしさが半減してしまいます。
アイオワとアイダホを間違えるのは日本人だけかと思っていましたが、アメリカ人でも混同する人が多いようです。この緊迫した場面でのおかしな会話はまだ続きます。
Oh, yeah? What's Iowa famous for?
ああ、そうか。じゃあ、アイオワの名物はなんだ?
それに対するジェーンの答えがこれです。
Gullible women.
だまされやすい女性よ
あまりに自虐的で私はふいてしまいました。でも、こういった会話がこの場面の緊迫感を損なわずに行われるのが、このドラマの面白いところだと思います。
しかも、この数秒の会話で、いつもユーモラスなジェーン、恋愛下手で真剣なヴァンペルト、凶悪だけど真面目でどこか抜けている犯人のそれぞれの人間性を表現しているのだから、メンタリストは本当にすごいドラマです。
*1:the mentalist S01E16