子供が見てもとても面白い『ファインディング・ドリー 』ですが、大人が見てもその深い世界観に驚く場面がたくさんあります。
いろいろな障害や欠点を持った魚(動物)たちが、大活躍するストーリーももちろん素晴らしいのですが、ここではドリーやハンクの哲学者のような深い名言を英語と日本語の対訳で紹介したいと思います。
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名言その1
あなたには三つもハート(心臓)があるのに、あんまり親切じゃないわね
For a guy with three hearts you're not very nice.
ドリーが薄情なハンクに言った言葉です。この映画を見てタコに三つ心臓があるということを知った人も多いと思います。
つい1分前のことは忘れているのに、こういう豆知識を覚えているのがドリーの面白いところです。さらに、研究所の水槽で育ったドリーは文字が読めるんですよね。
名言その2
ええ、私たちには出会う計画があったわけじゃないわ。それはね、最高のできごとは偶然起こるからよ。
Well, I don't think we did. And that's because the best things happen by chance.
ドリーが計画にこだわるハンクをせめて言う言葉です。いろいろ頭で考えていても幸せになれないというドリーの強い信念が感じられます。
さらにいえば、ドリーの言うこの「偶然起こる」というのは、人と人との(魚とタコとの)偶然の出会いを指しているようにも聞こえます。つまり、勇気をもって行動していれば、困ったことにあったとしても、偶然出会った人(魚やタコ)がちゃんと助けてくれる、そういう世界なんだと。
その3
昔、私の友だちのシガニーっていう人が、必要なのは三つの単純なステップだけだって教えてくれたわ。つまり、レスキュー・リハビリ・・・ええっともう一つはなんだっけ?
A friend of mine, her name's Sigourney, once told me that all it takes is three simple steps: Rescue, rehabilitation, and um... one other thing?
最後のRはリリースなのですが、シガニーウィーバーの言葉は覚えているのに、話しているうちに忘れてしまうドリーのおかしさが伝わります。そんなドリーですが、みんなが支えてくれるので大丈夫だというのがこの場面でもわかります。
その4
I like sand. Sand is squishy.
砂ってすてき。だってふわふわだもの。
なんでもすぐに忘れてしまうドリーですが、こういう感覚的な記憶は残っているのでしょうか。短いセリフですが、このふわふわの砂にかかわる記憶が後半重要な役割を果たします。
その5
私はそんなこと求めてないわ。私が求めているのは家族。
I don't wanna do that. I-I want my family.
ハンクが、短期記憶障害で家族を探すなんて大変なことするより、すべて忘れて海に泳いでいった方がいいと言ったことに対する、ドリーの返答です。ニヒリストなハンクハンクのいうことに、ドリーはまったく動じません。
その6
俺は違うね。俺は人のことを心配するなんてまっぴらさ。おまえはラッキーだよ。記憶がなければ、悩みも起こりっこないんだから。
Not me, kid, I don't want anyone to worry about. You're lucky. No Memories. No problems.
先ほどのドリーの答えに対して、ハンクが返した言葉です。ハンクのニヒリストぶりは徹底しています。
その7
こんにちは。私ドリーよ。タンキオク障害があるの
Hi. I'm Dory. I suffer from short-term remembory loss.
とってもかわいい幼いドリーの言葉です。rememboryは、rememberとmemoryが合わさってしまったドリーの造語です。ここではタンキオク障害と訳してみましたが、単なる痴呆症ではなくて、短期記憶だけに問題があるのですね。
つまり、何でも忘れてしまうわけではなくて、普通の人なら絶対覚えているほんの数秒、数分前のことが思い出せないそういう障害のようです。だから、変なことに詳しかったり、昔の思い出が突然よみがえってきます。
その8
私はそれが昨日のことのように覚えているの。もちろん、昨日のことなんて本当はまったく覚えていないんだけど。
I remember it like it was yesterday. Of course, I don't really remember yesterday all that well.
ドリーの数ある言葉の中でも、この言葉は特に深く感じました。つまり、ドリーにとっては昨日のことよりも、あるいは数分前のことよりも、幼いころのことがずっとはっきりとした思い出なんですね。そして、昨日のことを覚えていないことをドリーがまったく気に病んでいないことが、この映画の核心だと私は思います。
その9
忘れることのない光景だわ。
Unforgettable.
物語の最後に、サンゴ礁の端から見える大洋の景色をみながら、マーリンが「大した景色だぜ」といった言葉にドリーが答えた言葉です。
なんでも忘れてしまうドリーが"unforgettableというのですから、おかしくもあり、皮肉にさえ聞こえます。でも、実際にドリーは道に迷うことなく光景を見ることができるようなので、本当にこの景色は忘れることがないようです。
もしかすると、ドリーにとって本当に覚えておかなくてはいけないぐらい大事なことは、とっても少ないのかもしれません。
昨日のこともまったく覚えていないドリーの言葉とサンゴ礁に住む魚たちから見た壮大な海の景色が何か永遠のようなものを感じさせられました。
おまけ
ホーリーカープ(まったくなんってこった)!
Holy carp.
最後に番外編ですが、これもじわじわきます。holy cowやholy crapという表現がありますが、海の生物の世界なので、cow(牛)ではなくcarp(鯉)なのですね。こういう細かいジョークがファインディング・ドリーの世界をより楽しくしています。
ファインディング・ドリーを見て、なんでシガニーウィーバー(八代亜紀)?って思った人はこちらもどうぞ。
トトロに出てくるお父さんの言葉もまとめてみました。
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