スタジオジブリの代表作『となりのトトロ』の中でも密かに人気なのが、メイとサツキのお父さん草壁タツオさん。
SNS界隈でも人気です。
ジブリはイケメンが多い〜👵🏻
— 麻生かりん (@karin_Nissy1205) January 14, 2018
アレンもアシタカも好きじゃが個人的に草壁タツオが一番。(笑 pic.twitter.com/xmf8PJMVWE
そんなお父さん草壁タツオさんの名言をTwitterなどSNSの反応も引用しながら英語と日本語の対訳で紹介します。
「そりゃあスゴイぞ!お化け屋敷に住むのが、子供の時から、お父さんの夢だったんだ。」
“That's wonderful. Good for you! I've always wanted to have a haunted house. It's been my lifelong dream!”
そりゃあすごいぞ〜!
— a m e 。🦉🐇 (@yuk_nov_26) September 29, 2017
お化け屋敷に住むのが子供のときからお父さんの夢だったんだ・:*+.\*1/.:+ pic.twitter.com/G9iuFdMVsW
田舎の古い家を見て大騒ぎするサツキとメイ。新しく引っ越す家が「お化け屋敷」だなんて言われたら、いい気はしないものですが「子どもの頃からの夢だった」というお父さんの意外な返事。
"good for you"というのは、直訳すると「君たちにとっては/しては良い」となりますが、直訳のニュアンスとは異なり、相手を純水にほめたりするときにもよく使います。
初めてこの映画を見たときに、このセリフでいっぺんにお父さんのことが好きになった人も多いと思います
「昔は、木と人は仲良しだったんだよ」
“Trees and people used to be good friends. I saw that tree and decided to buy the house. Hope Mom likes it too.”
引越し先の古い家を買った理由は、家の前に生えている大きな楠木だったのですね。「昔は、木と人は仲良しだったんだよ」だなんて、考古学者でもあるお父さんらしいセリフですね。
英語の"uset to"は、「以前は~だった」とか「昔は~だったものだ」という現在とは異なる状態を表す表現です。似たような表現に助動詞の"would"があります。ちょっと難しくなりますが、こちらは繰り返す習慣を表すので、少しニュアンスが異なります。
これに続く「お母さんも、きっと好きになると思ってね」というセリフで、この場にいないお母さんは、三人とは別の場所で暮らしているということが分かります。
「うん、お父さんもサツキも、メイが嘘つきだなんて思っていないよ」
Father and Satsuki don't think you're a liar.
トトロをみたという突拍子もないメイの言葉。普通の大人なら、「はいはい、そうねー」軽く受け流すのかもしれませんが、お父さんはメイの言葉を受け止めて、嘘つきだと思っていないということをきちんと説明します。
こういうのって、簡単にはできないですよね。子育てだけではなくて、人間関係の手本にしたい姿勢です。
それに、直前のメイのセリフ「ほんとだもん! 本当にトトロいたんだもん! ウソじゃないもん!」も、心に残る名セリフですね。
「メイはきっと、この森の主に会ったんだ。それはとても運がいいことなんだよ。でも、いつも会えるとは限らない。」
“I also believe that you met the King of the Forest, Mei, and meeting him is a sign of good luck. But there's no guarantee that you'll see him all the time.”
お父さん「メイはきっとこの森の主に会ったんだ。それはとても運がいいことなんだよ。でも、いつも会えるとは、限らない」#kinro #夏はジブリ pic.twitter.com/0nHmHfMsA2
— ミアちゃん@金曜ロードSHOW! 公式 (@kinro_ntv) July 11, 2014
「嘘つきだなんて思っていない」と口で言うだけではなくて、実際に、トトロに会いに行こうというお父さん。そして三人は本当にメイがトトロを見たという大きな木のある場所に行き着き、みんなの言葉が真実で、お互いにつながっていることが分かります。
この場面に、物語だからと一言ですませられないような説得力を感じるのは私だけではないでしょう。
森の主は、DVDのバージョンによりますが、英語では"the king of the forest"や"the keeper of the forest"と訳されています。
みんな笑ってみな。おっかないのは逃げちゃうから。
“Everybody, try laughing. Then whatever scares you will go away!”
笑ってみな。おっかないのは逃げちゃうから#後世に残したいアニメの名言
— mayun)͜͡˒ ⋊ (@mayuna__09) August 23, 2016
今までで1番辛かった時に都合良く解釈して勝手に救われましたハーイ pic.twitter.com/dK6RIHr7TN
「悲しいから泣くのではなくて、泣くから悲しいのだ」というのはアメリカの哲学者W.ジェームズの言葉ですが、この場合は「恐怖は外の世界にではなくて心の中にある」ということですね。
ちょっと話がそれてしまいましたが常に楽観的に考えていれば、人生はうまくいくという娘たちへの教えを感じる言葉です。
そして、実際に映画の中では三人が大笑いしていると、まっくろくろすけが家を出てどこかに移っていく様子が映し出され、お父さんの言葉が現実になっていることがみている人には分かります。
そのとき流れるのが、名曲中の名曲「風の通り道path of the wind」。このシーンはジブリ映画の中でも もっとも詩情あふれる名場面であることは間違いないでしょう。
「こりゃ、まっくろくろすけだな」
Well, I’m pretty sure they were dust bunnies.
もし、映画となりのトトロの中から、一つだけセリフを選ぶとしたら私はこれを選びますが、どうですか?
台所の土間の扉を開けたときに、黒くぞわぞわと動くのを見て大騒ぎする、サツキとメイ。そのサツキとメイのことをバカにせずにきちんと受け止めた上で、子どもたちのムードを一変させてしまうお父さんはさすがです。
さらに、糸井重里さんの言い方もすごいんですよね。プロの俳優・声優の方でも(プロだからこそ逆に)なかなかあんな深い話し方はできないように思います。もともとは、イッセー尾形さんがお父さん役をするはずだったところ、イッセー尾形さんの事務所の方が、糸井重里さんを推薦したそうですが、その事務所の方もすごいですね。
ちなみに英語の"dust bunnies"は、綿ぼこりの要請のことなのですこしイメージが異なりますが、日本にも英語圏にも塵や埃の妖怪・妖精がいるというのはおもしろいですね。
それにしても、この短いセリフの中に、とってもいろいろなことを込められる宮崎駿監督や、糸井重里さんはやっぱりすごいと思います。
「となりのトトロ」をはじめとするジブリ映画は、残念ながらまだネットフリックスなどの動画サービスでは観ることができません。
日本向けののDVDやBlu-rayは高価なので、海外向けのものの並行輸入盤がお薦めです。英語字幕や英語吹替えで何度も観ると、大人も子どもも英語の勉強になりますよ。もちろん、日本語吹替え・字幕も付いているものがほとんどです。特に、Blu-rayはリージョンコードも気にする必要がないので、とてもおすすめです。
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